俳優は不合格通知に慣れている。そうかもしれない。厚い面の皮。いつものことかもしれない。しかし、これは本当だろうか?俳優にとって不合格を乗り越えるのは、大変なことだ。
ほとんどの俳優の人生には不合格がついてまわる。毎日、毎日のことだ。俳優のオーディションの99%は不合格になる者が出るようになっている。
ただ、これは、間違いなく辛いことだ。結局のところは、本当に俳優になりたいかどうかというところに行き着く。
俳優は自分自身で、不合格ということがキツいことだとよく知っている。「ダメ」というのを何度も何度も聞きたいと思う人はいるだろうか。
では、俳優はどうやって、これと向かい合ってるのだろうか。うめき声をあげたり泣き言を言う人もいる。ただ、これは生産的なやり方ではない。他には、酒に逃げたりそれ以外の現実逃避をしたりする人もいる。ただ、これもいい選択ではない。
では、不合格と肯定的に付き合うということは、どのようなやり方なのだろうか?
肯定的に向かい合う
俳優になると遭遇する99%の不合格というものは、俳優個人に対するものではないということを、まず理解して欲しい。難しいことだが、本当なのだ。
ディレクター、キャスティング・ディレクター、プロデューサーというのは、ほぼ確実に心の中で作品の仕上がりイメージを持っている。それが彼らの仕事なのだ。結局のところ、俳優の側では、これはどうしようもない。不合格を出す場合、俳優を不合格にしているのではない。個人に対するものではないのだ。
あと、覚えておくとよいのは、俳優を雇おうとしている人々は相当な時間、金、彼らの評価、その他をプロジェクトに注ぎ込んでいる。プロジェクトに一番あった人を探すというのも、彼らにとって死活問題なのだ。
最適な方法
確かにそうかもしれないが、不合格というのは(どのような理由で決定されたのであれ)決して気持ちのいいものではない。交渉するというのもトリッキーなことだ。では、俳優にとって不合格とどのように付き合っていけばいいのだろうか。
- コントロールできること、できないことを考えよう。自分で自分のことはコントロールできる。それに尽きる。適切に準備をし、必要なリサーチを事前にやっておく。オーディション会場に着いた時からキャラクターを想像させるように見せる。第一印象から。何を演じるべきか知っておく。指示をよく聞く。あとは力を出し切るだけだ。
- 健康な生活を送るようにすること。仕事が取れなかったからといって、気を紛らわせるようなものに手を出さない方がいい。たいがいの場合、より不安な状況におちいることになるだろう。
- 明るくいること。なすがままに。適切に深くリラックスするやり方を身につけよう。多くの俳優は瞑想が役に立つと思っている。俳優としての日ごとの生活のためだけでなく、演技の準備としても役に立つだろう。
ここに書いたことをやって、力を出し切った場合は、出番が取れたかどうかによらず、頭を前に向けていた方がいい。一度の不合格をもらったからといって、次の機会を逃したということにはならないのだ。
不合格をもらった時に俳優が身を切るような痛みを感じる時、その理由として、自分が十分な努力をしていなかったのが理由だと考えていることがよくある。何かを逃したからといって、ちゃんと準備をしていなかったということではないのだ。俳優とはそういうものではないのだ。